リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)
楽劇「エレクトラ」より
1: エレクトラのモノローグ
2: エレクトラとオレストの再会
3: フィナーレ
エレクトラ: インゲ・ボルク
オレスト: パウル・シェッフラー
クリソテミス: フランセス・イーンド
シカゴ・リリック劇場合唱団
シカゴ交響楽団
指揮: フリッツ・ライナー
録音: 1956年
(40:55)
今夜はR. シュトラウスの「エレクトラ」です。
前回聞いた「運命の力」はストーリーは陰惨であるものの、音楽は一つの悲劇として見事にとどまっていました。それに対して、「エレクトラ」はもっと人間の根に潜む性を抉った古典ですが、音楽はかなり過激なものとなっています。
しかし、「エレクトラ」はベルクの「ヴォツェック」のような問題提起をして幕となるものではなく、「ニーベルングの指環」と同様に、崩壊によって生じるカタルシスを得られるものとなっています。
題名役のボルクは、ベーム指揮による全曲盤でさらに素晴らしい歌唱を聞かせてくれますが、シェッフラーの落ち着いた深みとコクがあるオレストは同役の筆頭に挙げたいくらいです。また、ライナー率いるシカゴ交響楽団の充実ぶりも特筆すべきでしょう。
なお、シェッフラーはドン・アルフォンソとしてもお気に入りの歌手です。
深夜便48 モーツァルト 「コシ・ファン・トゥッテ」 ベーム
ドン・アルフォンソとオレストではだいぶ役どころが異なりますが、シェッフラーの歌唱はそれを描き分けて妙と思いました。
この録音は、かつて聞いた「サロメ」とカップリングとなっており、R. シュトラウスの過激なオペラのエッセンスを1枚のディスクで堪能できます。
深夜便40 R. シュトラウス 「サロメ」 ライナー
ところで、4日後の9月8日はR. シュトラウスの命日となりますが、その日は他の作曲家を優先すべく、先にこれを聞くことにしました。
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2009/Sep
04
Friday
22:00
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