ヴェルディ(1813-1901)
歌劇「マクベス」全曲
マクベス: ピエロ・カプッチッリ
バンクフォー: ニコライ・ギャウロフ
マクベス夫人: シャーリー・ヴァーレット
侍女: ステファニア・マラグ
マクダフ: プラシド・ドミンゴ
マルコム: アントニオ・サヴァスターノ
医師: カルロ・ザルドー
従者: ジョヴァンニ・フォイアーニ
刺客: アルフレード・マリオッティ
伝令: セルジオ・フォンタナ
3人の幻影: アルフレード・ジャコモッティ、マリア・ファウスタ・ガラミーニ、マッシモ・ボルトロッティ
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
合唱指揮: ロマーノ・ガンドルフィ
指揮: クラウディオ・アバド
録音: 1976年
(79:53/74:00)
今夜はヴェルディの「マクベス」です。
「マクベス」は生涯に26のオペラを遺したヴェルディの10作目にあたり、1846年から47年にかけて作曲されています。3作目の「ナブッコ」を除けば、ヴェルディの作品でことに親しみがあるオペラとなると16作目の「リゴレット」(1851年初演)以降となるでしょう。
しかし、「マクベス」は作曲家30代の作品とは思えないほど神経が行き届いた完成度を誇る作品と思います。ヴェルディはその出来映えにかなり自信をもっていたようですが、「マクベス」は長い間、ヴェルディの故国イタリアでも演奏されることが稀であったようです。
そのような不遇の時代でも演奏されていた国がドイツということは興味深いことです。「マクベス」は華麗なアリアを堪能するといった趣("情")ではなく、"知"と"意"に比重が偏っているため、そのようなことがあったのでしょう。
いくぶん"理詰め"の感があることは否めませんが、後年ライバルであったワーグナー作品に対抗する自作として「マクベス」を挙げていることには頷けます。聞いて"楽しい"オペラではないかもしれませんが、"心理劇"として聞けばその完成度はヴェルディの中期&後期作品に勝るとも劣らない魅力があることでしょう。
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2009/Aug
07
Friday
21:00
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