ヘンデル(1685-1759)
「アチスとガラテア」全曲
モーツァルト編曲版(ドイツ語)
ガラテア: バーバラ・ボニー
アチス: ジェミー・マクダゴール
デイモン: マルカス・シェーファー
ポリフィーマス: ジョン・トムリンソン
イングリッシュ・コンサート合唱団
イングリッシュ・コンサート
コンサート・マスター: ペーター・ハンソン
指揮: トレヴァー・ピノック
録音: 1991年
(42:23/61:12)
今夜はヘンデルの「アチスとガラテア」です。
ヘンデルの原曲は台詞が英語ですが、今夜聞いた録音はモーツァルト編曲によるドイツ語歌唱によるものです。合唱は原曲では独唱4人にテノールを1人加えた重唱でしたが、モーツァルト編曲版では別に設けられ、オーケストラもクラリネットやホルンが加わり響が厚くなっています。
ヘンデルの原曲は、オラトリオに分類されることもあるようですが、やはり仮面劇(マスク)というが妥当と思います。モーツァルトの編曲は、合唱を効果的に加えるなど、オペラという趣が強くなります。
モーツァルトがこの編曲を完成したのは1788年11月、最後の交響曲「ジュピター」を作曲した3ヵ月後であり、オペラでは「ドン・ジョヴァンニ」と「コシ・ファン・トゥッテ」の中間に位置しています。
バロック的な要素とモーツァルト的な要素を巧みに昇華させた名演として、私はこのピノックによる録音をとても愛好しています。ボニー、マクダゴール、シェーファーは歌詞の襞に美しく入りこみ、トムリンソンの節度あるドラマ性もポリフィーマスにうってつけでしょう。
前回、「ディドーとエネアス」を聞いた後に、偶然にも今年はパーセルの生誕350年と気づきましたが、あまり話題になっていない感があります。今年はまた、ヘンデルの没後250年ですが、今日はまさにその命日にあたるため、この曲を聞きたくなった次第です。悲劇ではあるものの、最後の合唱に至って幸福に満たされたひと時となりました。
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2009/Apr
14
Tuesday
21:00
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