ムソルグスキー(1839-1881)
人民音楽劇「ボリス・ゴドゥノフ」
全曲よりプロローグと第1幕
1872年改訂オリジナル版
ボリス: アレクサンドル・ヴェデルニコフ
ニキーティチ: ヴラディミール・フィリッポフ
ミチューハ: ニコライ・ニヅィエンコ
シチェルカーロフ: アレキサンドル・ヴォロシロ
シュイスキイ: アンドレイ・ソコロフ
ピーメン: ヴラディミール・マトリン
偽グリゴーリイ: ヴァディスラフ・ピアフコ
居酒屋の女主人: リュドミラ・シモノーヴァ
ワルラーム: アルトゥール・エイゼン
ミサイール: アナトーリ・ミシュティン
ソヴィエト連邦TV・ラジオ大合唱団
合唱監督: クラヴディ・プティッツァ
合唱首席指揮: リュドミラ・エルマコーヴァ
スプリング・スタジオ児童合唱団
合唱監督: アレクサンドル・ポノマレフ
ソヴィエト連邦TV・ラジオ大交響楽団
指揮: ヴラディミール・フェドセーエフ
録音: 1978-1983年
(67:23)
今夜はムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」です。
ロシア近代文学の祖とも謳われるアレクサンドル・プーシキンの作品はオペラ化されたものが多いようですが、その中でも最も高名なものがチャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」とムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」となるでしょう。
モスクワ大公ボリス・フョードロヴィチ・ゴドゥノフ(1551-1605)が戴冠してから没するまでを描いたこのオペラは、史実に脚色しているとすれば、オペラではフョードル1世の帝位承継者であるグレゴーリイを殺害したのがボリスであるということです。
このオペラは、"心理劇"ともいえる魅力がありますが、壮麗な歴史オペラとすることも可能でしょう。ことにリムスキー-コルサコフ版は後者の趣が強いと思いますが、今夜はムソルグスキーの原典版による演奏です。
それぞれの歌手の個性は薄いかもしれませんが、それがかえってモノトーンの"心理劇"としての側面が浮き彫りになっているように思えました。その中で、児童合唱を含め、合唱団の美しさは比類がありません。オーケストラは歌手陣と拮抗するような指向性ではなく、丁寧に歌手陣と一体化しています。
プロローグと全4幕からなる長大なオペラですので、時間的な制限から、今夜は3枚のディスクの中からプロローグと第1幕までを聞きましたが、これだけでもこの作品のすばらしさを充分に堪能することができました。なお、今日はムソルグスキー生誕170年にあたります。
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2009/Mar
21
Saturday
00:00
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