ワーグナー(1813-1883)
合唱曲集
「さまよえるオランダ人」
「タンホイザー」
「ローエングリン」
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
「神々の黄昏」
「パルジファル」
マリー: エリザベート・シェルテル
ハーゲン: ヨーゼフ・グラインドル
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
指揮: ヴィルヘルム・ピッツ
録音: 1958年頃
(53:30)
今夜はワーグナーの合唱曲集です。
合唱の扱いが巧みなオペラ作曲家として、ワーグナーは比類がないと思います。合唱を民衆として、その意思の善悪にかかわらず、劇中の人物、そして聴衆の意識を一定の方向に導く手腕に長けているのです。
それでも、ワーグナーの合唱曲集という録音はそれほど多くはないかもしれません。全曲盤からの抜粋ではなく、かつ、ワーグナーだけを集めた録音となると、ごく僅かかもしれません。
このような状況にあって、ヴィルヘルム・ピッツがバイロイト祝祭管弦楽団&合唱団とともに収録したこのCDは貴重なものとなるでしょう。録音年代は記されていませんが、プロダクション年は1958年となっています。
オーケストラの響はこじんまりとしていることが多いのですが、これは録音年代ゆえのことだけでなく、実際に演奏者が少ないのかもしれません。合唱も決して大人数とは聞こえません。
それでも、隅々まで行き渡った配慮に、戦後のバイロイトに君臨した合唱指揮者ピッツの辣腕ぶりを垣間見るような気がしてしまいます。
収録時間はわずか50数分にすぎませんが、存分にワーグナーの合唱曲を堪能しました。シェルテルのマリー、グラインドルのハーゲンもこの名録音に花を添えています。
PR
2009/Mar
13
Friday
21:00
Comment(-)