モーツァルト(1756-1791)
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」ハイライツ
ドン・ジョヴァンニ: ボイエ・スコウフス
レポレッロ: アレッサンドロ・コルベッリ
ドンナ・アンナ: クリスティーネ・ブリューワー
ドン・オッターヴィオ: ジェリー・ハードリー
ドンナ・エルヴィーラ: フェリシティ・ロット
ツェルリーナ: ヌッチア・フォチーレ
騎士長/マゼット: ウンベルト・チウンモ
スコットランド室内管弦楽団&合唱団
合唱指揮: ティモシー・ビラム=ウィグフィールド
コンサルタント: ジョン・フィッシャー
指揮: サー・チャールズ・マッケラス
録音: 1995年
(77:16)
今夜はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」です。
もう15年ほど前のことになりますが、友人に薦められて購入したマッケラスの「コシ・ファン・トゥッテ」にいたく感激しました。アンサンブル・オペラとしての「コシ」の魅力が、晴朗な陽光のもとに展開されるような趣がありました。この録音は今もって、同曲の屈指のお気に入りの録音です。
しかしながら、マッケラスとスコットランド室内管は、「魔笛」とダ・ポンテ三部作をすべてTELARCレーベルに録音いるものの、「コシ」以外は手をつけていませんでした。件の友人が、「他の録音は『コシ』ほど成功していないよ」と言っていたからです(汗)。フル・プライスのセットは高価でしたし…。
今年になって、「ドン・ジョヴァンニ」と「フィガロの結婚」のハイライツが2枚のディスクに収まった輸入盤を見つけました。2枚組で1,000円未満の廉価盤でしたから、飛びつくように購入(≧∇≦)
はじけるようなリズム感、活き活きとした晴朗な歌唱は、まさしく「コシ」と同じ路線です。「コシ」での6人の歌手のうち、4人がこの「ドン」でも聞くことでき、重唱での息の合った掛け合いも見事です。純粋にモーツァルトの飛翔するような音楽を愉しむことができるでしょう。
ただし、ブリューワーによるドンナ・アンナの声質はこのアンサンブルに合わないような気もしました。興味深いところでは、マゼットと騎士長が同じ歌手によって歌われていることです。これは、この二役に何らかの共通するものを見出した裏読みというわけではないでしょう。チウンモの歌唱は、言われなければ気づかないほど、歌い方が異なりますから。
「ドン・ジョヴァンニ」に喜劇と悲劇の絶妙な融合を聞くならば、以前に記したアーノンクール盤でしょう。
深夜便2 モーツァルト 「ドン・ジョヴァンニ」 アーノンクール
それでもなお、このマッケラス盤の晴朗な魅力も、春のうららかな日に鑑賞するに気持ちいいものです(^-^)
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