モーツァルト(1756-1791)
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」ハイライツ
ドン・ジョヴァンニ: トーマス・ハンプソン
騎士長: ロベルト・ホル
ドンナ・アンナ: エディタ・グルベローヴァ
ドン・オッターヴィオ: H・P・ブロホヴィッツ
ドンナ・エルヴィーラ: R・アレクサンダー
レポレッロ: ラースロー・ポルガル
マゼット: アントン・シャリンガー
ツェルリーナ: バーバラ・ボニー
オランダ・オペラ合唱団
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮: ニコラウス・アーノンクール
録音: 1988年
(75:20)
今夜はモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」です。
このオペラはは悲劇と喜劇の巧みな融合と思えますが、悪魔的な要素がモーツァルトのウィットによってきわめて日常的な衣装をまとっていると言えるかもしれません。
今夜も廉価の抜粋盤で聞きました。ハンプソンの題名役は細身ながらカッコいいですし、ポルガルのレポレッロもコミカルで愉しめます。グルベローヴァのドンナ・アンアは胸が締めつけられるほど美しいですし、ブロホヴィッツによるドン・オッターヴィオとボニーによるツェルリーナの美声にはただ聞き惚れるのみです。
アーノンクールの先鋭的な指揮ぶりはコンセルトヘボウの柔らかさに包まれ、コンセルトヘボウの穏やかさはアーノンクールに刺激されるという見事な相互作用をもたらしています。繊細さにも劇性にも欠かない名演ではないでしょうか。
なお、これは抜粋盤なので、最後の六重唱は含まれておらず、ドン・ジョヴァンニの地獄落ちで終わっています。これだけが残念ですが、全体で1時間15分以上も収録されていて、620円ほどでこのような素晴らしい演奏を繰り返し聞くことができるのですから幸せです。
時が経つのを忘れるほどすてきな一時を過ごすことができました。
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2009/Feb
25
Wednesday
00:00
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