レオンカヴァルロ(1857-1919)
歌劇「道化師」全曲
カニオ: ユッシ・ビョルリンク
ネッダ: ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス
トニオ: レナード・ワーレン
シルヴィオ: ロバート・メリル
ベッペ: ポール・フランケ
村人: ジョージ・チェハノフスキー /
リチャード・ライト
コロンバス少年合唱団
監督: ハーバート・ハフマン
ロバート・ショウ合唱団
合唱指揮: ロバート・ショウ
RCAヴィクター管弦楽団
指揮: レナート・チェルリーニ
録音: 1953年
(69:31)
今夜はレオンカヴァルロの「道化師」です。
前回は「カヴァレリア」をマスカーニの命日に聞きましたが、ヴェリズモ・オペラの両雄「道化師」の作曲家レオンカヴァルロの命日は1週間違いの8月9日となります。レオンカヴァルロは既にここでも2回登場していますので、今年のその日は別のオペラを聞く予定です。
さて、今夜聞いた「道化師」と前回の「カヴァレリア」では男声主役がともにビョルリンクとなっています。(CDジャケットもともにビョルリンクですね(^-^) 1960年に心臓発作でわずか49歳で生涯を閉じてしまったビョルリンクですが、芯がありながらしなやかな美声はここでも存分に堪能することができました。
意識していたわけではありませんが、なぜかイタリア・オペラに興味をもった頃に聞いていた録音にビョルリンクがキャストされている確率が高いことに気づきました。前回の「カヴァレリア」だけでなく、「イル・トロヴァトーレ」、そして「ラ・ボエーム」があります。
深夜便5 プッチーニ 「ラ・ボエーム」 ビーチャム
2009/Aug
05
Wednesday
19:00
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マスカーニ(1863-1945)
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」全曲
トゥリッドゥ: ユッシ・ビョルリンク
サントゥッツァ: レナータ・テバルディ
ルチア: リナ・コルシ
アルフィオ: エットレ・バスティアニーニ
ローラ: ルチア・ダーニ
フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&合唱団
合唱指揮: アンドレア・モロシーニ
指揮: アルベルト・エレーデ
録音: 1957年
(73:10)
今夜はマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。
このオペラはブログ2回目の登場となりますが、実は、前回エントリーした直後に思い違いがあることに気づきました(>_<)
深夜便36 「カヴァレリア・ルスティカーナ」 レヴァイン
そこでは、「イタリア歌劇を好きになるきっかけとなった曲であり、録音」と述べました。確かにイタリア歌劇が好きになって、そのレヴァイン盤は早い段階で聞いていますが、そのきっかけとなったのは、今夜聞いたエレーデ盤でした。
エレーデ盤の音楽の豊かさは比類がありません。ビョルリンク、テバルディ、バスティアニーニといった往年の名歌手、そしてオーケストラの豊潤なフレージングは、このオペラの悲劇性よりも「歌」でキャンバスを塗りつぶした感さえあります。
そこで、もう少し現代的な(?)レヴァイン盤を取り出すことが多かったのだと思いますが、やはり今あらためて聞きなおしてみると、エレーデ盤により"オペラ"としての魅力を感じました。歌もすばらしいですが、間奏曲の豊潤でありながら厭らしい節回しとなっていないことも特筆しておきます。
いかにも「旧き佳き時代」の産物といった趣もあるかもしれませんが、録音状態に古臭さは感じました。さすがはDECCA/LONDONといったところでしょうか。
なお、前述の思い違いをエントリー後すぐにでも訂正しようかと思いましたが、今日という日を待ちました。今日8月2日はマスカーニの命日にあたりますから。
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2009/Aug
02
Sunday
21:00
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マスカーニ(1863-1945)
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」全曲
サントゥッツァ: レナータ・スコット
トゥリッド: プラシド・ドミンゴ
アルフィオ: パブロ・エルヴィラ
ローラ: イソラ・ジョーンズ
ルチーア: ジーン・クラフト
アンブロジアン・オペラ・コーラス
合唱指揮: ジョン・マッカーシー
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: ジェイムス・レヴァイン
録音: 1978年
(70:48)
今夜はマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、私にとってイタリア歌劇を好きになるきっかけとなったオペラです。血なまぐさいストーリーではありますが、内容はシンプルで分かりやすいですし、音楽を聞くだけで情景が脳裏に浮かぶような魅力がありました。
そして、その出会いの録音がレヴァイン盤でした。アメリカ人指揮者によるイギリスのオーケストラの演奏ではありますが、合唱を含めて、「田舎の騎士道」といった粗さが巧みに描き出されています。
もちろん、ここでの最大の魅力の一つは、若き日のドミンゴにあるでしょう。トゥリッドとしては声質が"賢く"聞こえてしまうかもしれませんが、やはりその美声には思わず惹きこまれてしまいます。スコットを含め、共演者にも恵まれた好演と思います。
なお、タイトルでは作曲者名を割愛しましたが、いつものようにすべてを記すとタイトルの枠内に収まらないための措置です。(あとは、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」の時にも起こりそう(≧∇≦)
レオンカヴァルロ(1857-1919)
歌劇「ラ・ボエーム」全曲
マルチェルロ: フランコ・ボニソーリ
ロドルフォ: ベルント・ヴァイクル
ショナール: アラン・タイタス
コルリーネ: ライムンド・グルムバッハ
ゴデンツィオ: フリードリヒ・レンツ
ムゼッタ: アレッサンドリーナ・ミルシェヴァ
ミミ: ルチア・ポップ
バイエルン放送合唱団
ミュンヘン放送交響楽団
指揮: ハインツ・ワルベルク
録音: 1981年
(71:06/65:15)
今夜はレオンカヴァルロの「ラ・ボエーム」です。
ヴェリズモ・オペラの代表的な作品ともいえる「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」ですが、マスカーニもレオンカヴァルロもこの2曲のみで名を成した感がありますが、二人ともオペレッタを含むと10数曲の舞台作品を遺しているようです。
レオンカヴァルロは文才にも恵まれていたようで、1歳年下のプッチーニの出世作となった「マノン・レスコー」の最初の台本作家としてリコルディ社から紹介されています。しかし、プッチーニはそれに満足することなく、紆余曲折を経て、イッリカ&ジャコーザのコンビに委ねられました。
その後、レオンカヴァルロは、「ラ・ボエーム」の台本作家として、プッチーニに作曲を薦めたものの、プッチーニが興味を示さなかったため、レオンカヴァルロはみずから作曲することを公にします。ところが、プッチーニの気が変わったか、レオンカヴァルロに告げることなく、プッチーニも「ラ・ボエーム」の作曲に取り掛かるのです。
これによって、レオンカヴァルロとプッチーニは絶縁してしまうことになりますが、今日では不義理なプッチーニの作品が圧倒的な評価を得るに至っています。それはそうでしょう、プッチーニの「ラ・ボエーム」はあらゆるオペラの中でも屈指の作品と思いますから。
ところが、レオンカヴァルロの生前は、必ずしも今日と同じような評価ではなかったようです。レオンカヴァルロの名声を決定的としたのは、「道化師」ではなく、「ラ・ボエーム」であるということを何度か聞いた覚えがあります。
プッチーニを比較対象としなければ、レオンカヴァルロの「ラ・ボエーム」も埋もれてしまうには惜しいと思います。大雑把に言うと、前半は軽いタッチで"ボヘミアン"の生活と恋を浪漫性豊かに描き、後半は「道化師」の作曲家らしいヴェリズモとしての性格が顕著になってきます。
また、レオンカヴァルロの場合、ロドルフォはバリトン、マルチェロがテノールとなっており、物語もロドルフォ&ミミのみに比重が置かれているのではなく、殊に前半はマルチェロがムゼッタに一目惚れするシーンから、このカップルがプッチーニの場合以上にスポットがあたっています。
なお、レオンカヴァルロは10年以上も経ってから、これを改定して「ミミ・パンソン」というオペラを遺しているそうですが、残念ながらそれは未聴です。
2009/Apr
03
Friday
22:00
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レオンカヴァルロ(1857-1919)
歌劇「道化師」全曲
カニオ: フランコ・コレッリ
ネッダ: ルチーネ・アマーラ
トニオ: ティト・ゴッビ
ベッペ: マリオ・スピーナ
シルヴィオ: マリオ・ザナッシ
村人1: フランコ・ピーヴァ
村人2: アンジェロ・メルクリアーリ
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
合唱指揮: ノルベルト・モーラ
指揮: ロヴロ・フォン・マタチッチ
録音: 1960年
(73:20)
今夜はレオンカヴァルロの「道化師」です。
この曲は同時代の「カヴァレリア・ルスティカーナ」とともに、"ヴェリズモ・オペラ"の代表曲として有名ですね。この2曲がCD2枚に収まって販売されていることも多くあるようです。
今夜聞いた「道化師」も、指揮者とオーケストラは異なりますが、コレッリつながりで、この2曲セットとなっています。
両者の音楽性は似ており、狭義のジャンルで同一的といえるのでしょうけれども、私の印象はいくぶん異なります。「カヴァレリア・ルスティカーナ」は激情的、「道化師」は劇場的と言えばよいでしょうか。
「道化師」はより音楽的に練れたものになっていると感じますが、それは私が「カヴァレリア・ルスティカーナ」に粗削りな趣を求めているからかもしれません。
しかし、このような性格はきっと演奏によっても異なってくるでしょう。マタチッチ&ミラノ・スカラ座による濃厚な「道化師」は、コレッリやゴッビといった名歌手の輝かしさも相まって格別の味わいがあります。また、活力に溢れた合唱がことのほか魅力的です。
"オペラ深夜便"初となった全曲鑑賞、昨日の「リゴレット」に続いて、これまた2回も続けて鑑賞してしまいました。
2009/Mar
01
Sunday
22:00
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